Arch LinuxをUSBにインストールする
最近、自分の周りでArchLinuxユーザーが急増中していて、自分も驚いています。確かに自分は事あるごとに周りの人をArchLinuxArchLinuxと洗脳してきましたが、ここまで功を奏するとは。
そこで、今回はUSBメモリにArchLinuxをインストールする方法をご紹介します。そうすることで自分のArchLinuxを行く先々の端末でブート出来る他、既存のOSを破壊せずに済みます()。
尚、以下の作業は自己責任にて行ってください。デバイス名を間違えただけでもHDDの中身をフォーマットしかねないので。
環境構築
ライブUSBを作るための環境をセットアップします。
- ライブUSBにするためのUSB(4GB以上)
- ここから取ってきたディスクイメージを使った仮想環境
なお、VirtualBoxのくだりでは、仮想環境用のストレージを用意する必要はありません。何故なら本当に必要ありませんし、間違ったインストール先を選択するというミスを減らすことが出来るからです。
以上が準備出来たら、USBを仮想環境側でも認識させて立ち上げます。以降からは仮想環境上での作業です。
インストール前の準備
lsblkでUSBがどこにマウントされているかを確認し、その後パーティションを最適化します。…と、その前にpacmanでpartedとdosfstoolsをインストールします。
parted /dev/sdx
(parted) mklabel msdos
#既にパーティションがある場合
(parted) rm パーティション番号
(parted) mkpart primary ext4 1MiB 100%
(parted) set 1 boot on
(parted) quit
mkfs.ext4 -O “^has_journal” /dev/sdxx
作成したパーティションを/mntにマウントします。
mount /dev/sdxx /mnt
/etc/pacman.d/mirrorlistをお好みのエディタで編集して、.jpが付いているURLを上の方に持ってきます。
ベースシステムのインストール
終わったら早速ベースシステムをインストールしましょう。
pacstrap -i /mnt base base-devel
genfstab -U /mnt » /mnt/etc/fstab
次のように/mnt/etc/fstabを編集してrelatimeをnoatimeに変えておきます。
- UUID=[USBのSSIDが長々と] / ext4 rw,relatime 0 1
- UUID=[USBのSSIDが長々と] / ext4 rw,noatime 0 1
chrootでインストールしたシステムに入る
arch-chroot /mnt /bin/bash
言語設定
- #en_US.UTF-8 UTF-8
- en_US.UTF-8 UTF-8
…
-
#ja_JP.UTF-8 UTF-8
-
ja_JP.UTF-8 UTF-8
locale-gen
echo LANG=en_US.UTF-8 > /etc/locale.conf
export LANG=en_US.UTF-8
KEYMAP=jp106 FONT=lat9w-16
タイムゾーンの設定
ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
ホスト名の設定
echo ホスト名 > /etc/hostname
ネットの設定
pacman -S iw wpa_supplicant dialog
rootのパスワード変更
passwd でrootのパスワードを変更しておくことを忘れずに。
ブートローダーのインストール
pacman -S grub os-prober
grub-install –target=i386-pc –recheck –debug –force /dev/sdX
grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg
あとはexit してreboot します。
さらなるセットアップ
useradd -m -G wheel ユーザー名
passwd ユーザー名
- # Defaults env_keep += “HOME”
- Defaults env_keep += “HOME”
…
-
%wheel ALL=(ALL) ALL
- %wheel ALL=(ALL) ALL
su ユーザー名 で新しく作ったユーザーでログインします。今後は今作ったユーザー名で作業し、管理者権限が必要な時はsudoを使うようにします。
デスクトップ環境構築
まずはビデオドライバを入れます。これは各自環境によって異なるので、lspci | grep -e VGA -e 3D で確認して必要なものをインストールします。自分はNvidiaのグラボを通しているので、xf86-video-nouveauをインストールしました。 |
pacman -S xorg-server xorg-server-utils xorg-xinit xf86-video-nouveau
pacman -S xmonad xmonad-contrib xterm
【2017年7月20日追記】
xorg-server-utilsがxorg-appsになった模様。
あと、Nvidia環境じゃなきゃxf86-video-nouveauではなくてxf86-video-vesaを入れよう。
#!/bin/sh setxkbmap -layout jp exec xmonad
早速startx したいところですが、ビデオドライバを新たにインストールしたので一旦reboot します。reboot したらstartx してxmonadに入ります。
xmonadにデフォルトで設定されている簡単なキーバインドは以下の通り。
Mod + Shift + Enter
ターミナルを開く
Mod + Shift + C
フォーカスしているウィンドウを閉じる
Mod + Shift + Q
ログアウトする
壁紙を設定する
xmonad起動時に真っ黒な画面が表示されるだけだと味気ないので、壁紙を設定しましょう。
pacman -S feh
feh –bg-scale イメージファイル
sh ~/.fehbg &
…
exec xmonad
これで壁紙が設定されます。
AURをインストールできるようにする
pacmanでインストールできるパッケージには限度があります。それを補ってくれるyaourt(フランス語でヨーグルト)をインストールします。
[archlinuxfr] SigLevel = Never Server = http://repo.archlinux.fr/$arch
pacman –sync –refresh yaourt
日本語環境設定
pacman -S adobe-source-han-sans-jp-fonts
yaourt -S mozc ibus-mozc
export GTK_IM_MODULE=”ibus” export QT_IM_MODULE=”ibus” export XMODIFIERS=@im=ibus ibus-daemon –xim -d &
…
exec xmonad
ibus-setup で設定画面を表示して、Generalタブでキーバインドを設定し、Show property panelをAlwaysにし、Input Methodタブでmozcを追加すればおk。
サウンド
USB接続しているスピーカーから音を出したいので色々と弄る。
pacman -S alsa-utils
defaults.pcm.card 3 defaults.pcm.device 0 defaults.pcm.card 3
alsamixer でボリュームを上げてあげれば聞こえるはず。
これを読んでいるあなたはきっと「もっとこうしたい、ああしたい」と思い始めていることでしょう。そう、ArchLinuxなら自分の好きなデスクトップ環境に出来るのです。自分好みのデスクトップ環境探しに終わりはありません。まだまだ先は長いですが、頑張っていきましょう!
と、まぁこんな感じで2日目の記事はここまで。昨日と今日でそれぞれ3,000字程度書いてるけど、この調子で書けるかな…